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特集バックナンバー Vol.8 「虐待をやめたい!」:親子プログラムを展開!


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「虐待をやめたい!」:親子プログラムを展開!

重篤な児童虐待のニュースが全国各地で相次いでいます。

日本では2000年に「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」が成立し、児童虐待に対する社会認知も 高まってきました。しかし、その一方で虐待件数は増加し続け、緊急避難的に児童を保護することに追われています。 虐待再発防止に欠かせない「親子関係の再構築」への支援は十分には行われていません。

そうした中で、独自の親子プログラムによって虐待再発防止(家族再統合)に取り組んでいるのが、大阪市のNPO法人チャイルド・リソース・センターです。

チャイルド・リソース・センターのスタッフは、長年にわたって児童相談所等で児童虐待に関わってきた人たちです。

今回は、チャイルド・リソース・センターの理念や活動、児童虐待再発防止の課題等を宮口智恵代表理事に インタビューします。(インタビュー:城市創・ギブワン編集者)

特定非営利活動法人チャイルド・リソース・センター
[大阪府]

子どもの成長には親子関係の再構築が必要

Q:チャイルド・リソース・センターを設立した思いをお聞かせください。

宮口:私は大阪府の職員として18年間福祉に携わり、そのうち15年間は児童相談所の ケースワーカーとして虐待を受けた児童やその親と接してきました。そこで痛感してきたのが、児童福祉施設に 保護されている子どもが再び虐待を受けずに家庭で安心して生活できるようにすることの必要性でした。

マスコミでも報じられているように、虐待を受けた児童の数は年々増加しています。 児童相談所はそうした児童の生命を守ることを目的としているのですが、児童の保護や対応に日々追われているのが 現状です。しかし、児童の保護はあくまでも緊急的な対応です。

子どもが再び虐待を受けずに家庭で安心して生活できるようになったり、将来にわたって子どもの成長を保障する ためには親子関係を再構築する支援が必要です。そのことは児童相談所の現場ではよく分かっているのですが、 日々の対応で精一杯です。また時には親と厳しい対立関係になる児童相談所でそのような支援を行うのは難しいと 感じ続けていました。

そこで、NPOとして虐待再発防止(家族再統合)に取り組もうと考え、 2007年4月にチャイルド・リソース・センターを設立し、半年後の10月にNPO法人として認証されました。

時間と労力をかけて親子プログラムを提供できるのはNPO

Q:家族再統合に取り組む上で参考になった事例などはあったのですか。

宮口:カナダは以前から虐待の再発防止に効果があるとされているプログラム (「プロジェクト・ペアレント」等)を導入しており、私も4年前に視察しました。

そこで驚いたのは、時間と労力をかけてプログラムを実施していることと、州や国が全面的に支援していることです。

プロジェクト・ペアレントでは週2回のプログラムを8~9ヵ月かけて実施しています。崩れかけようとした 親子関係を再構築するためにはそれだけの時間が必要であるし、そのことを州や国も理解して支援していることです。 なぜそれだけの時間が必要かというと、再構築にはそのプロセスが非常に重要だからです。

親子関係は一定のプログラムを消化すれば再構築できるものではありません。その一方で「成果」は数字などで 示せるものではありません。

カナダでは州や政府はそのことをきちんと理解して支援を続けていますが、 日本の場合は2000年に児童虐待防止法が成立したばかりで、家族再統合に向けた支援は未整備です。 また、行政という「枠」の中でプログラムを実施することにも多くの限界があります。

それならば、NPOとして実践しようと考えたのです。

親子の実情に応じた個別のプログラムを実施

Q:どのような活動を行っていますか。

宮口:私たちはカナダのプロジェクト・ペアレントを参考に「CRC親子プログラム」を 開発しており、大阪府や大阪市から委託された親子を対象にプログラムを実施しています。

プログラムを実施するといっても、内容はすべてそれぞれの親子に応じたものです。 親の中には「なんでうちの子を奪ったんや」と怒っている親もいますし、「子どもにどう接していいのか分からない」 と悩む親もいます。また、子どもの中には親の姿を見て泣き出す子もいます。

だから、それぞれの親子の状況を きちんと把握して個別に適切なプログラムを実施しています。

実施する場所は児童相談所や乳児院です。 回数は事前面接とフォローアップを除いて11回で、1回の時間は2時間程度です。内容は「親子交流時間」と 「親時間・子時間」の2部で構成されています。

親子交流時間では、スタッフが同席して、自由遊びや散歩、 クッキングなど親子で一緒に過ごします。

「親時間」は親の学びの時間で、交流時間を撮影したビデオを活用したり、 これまでの体験を振り返りながら、しつけや承認、子どもの成長、親としての役割などのテーマをもとに子どもとの 具体的な関わりを学びます。

適切な支援があれば親として再スタートできる

Q:このプログラムによってどんな成果が生まれていますか。

宮口:プログラムに参加した親子の中には、お互いに緊張し、会うことも困難な親子が いました。しかし、プログラムが進むにつれて一緒に過ごす時間が持てるようになり、子どもの誕生日には 親子でケーキの飾り付けを楽しみ、子どもは親の歌声にとても満足そうな表情を浮かべていました。

他にも親からは、「初めて子どもが『ママー』と声をあげて近づいてくれた」「子どもと言葉が通じ合うことが増え、 自分と子どもとの距離が縮まっていると感じた」といった声をいただいています。

また、児童相談所や施設の職員へのアンケートでも、「親が面会に来ると笑顔が出たり、自分から親に寄って行ったりするようになった」など、親に対する子どもの安心感が高まってきているという結果が得られています。

これらから子どもとの関係をなんとかしたいと願う親は、適切な支援があれば子どもの成長を支える親として再スタートできると強く感じています。

多くの人たちの支援で虐待再発防止を

Q:その一方で、課題としては何が挙げられますか。

宮口:プログラムの内容などから分かるように、プログラムは親子一組ごとに実施する 個別プログラムであり、プログラム以外にもフォローアップなども行うため、一組の親子に対する時間やエネルギーは 非常に大きくなっています。逆に、そうでなければ家族再統合は実現できないともいえます。

私たちは2007年度からの3年間で27組の親子(計70名)を対象にのべ298回のプログラムを提供し、 今年度も12組の親子を対象に実施していますが、大阪府と大阪市からの委託金だけでは受け入れられる件数にも 限界があります。

その意味では、多くの人たちの支援を得て、児童虐待の再発防止につなげていきたいと考えています。

児童虐待を止め、子どもの成長を支える親が一人でも増えるように、虐待を受けた子どもが再び虐待を受けることが ないように、私たちの活動を支援していただきたいと願っています。

関連プロジェクト

地域に親子の『灯台』を!~虐待再発防止プログラム~(チャイルド・リソース・センター)

児童福祉施設で生活する子どもが、再び虐待を受けずに家庭で安心して生活できるように、親子支援プログラムを提供します。

継続的・安定的にプログラムを提供し、一組でも多くの親子をつなぐために、みなさまのご支援を心からお願いいたします。

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