オンライン寄付サイト Invest in the Future

特集バックナンバー Vol.7 技術のオープンソース化で竹林を再生!


特集バックナンバー一覧はこちら  最新の特集はこちら

 
技術のオープンソース化で竹林を再生!

 全国の里山では、農地や樹林地に拡大し生産機能や森林機能を低下させる「竹害」が大きな課題となっています。 その解決を目指して、竹の用途開発や地域の資源循環の仕組みづくりを通じて、竹の価値の再生を図っているのがNPO法人トージバです。

 トージバは、都市と農村をつなげることで食や農業の問題を解決しようとしています。

 日常生活の中に交流の「場」を創出し、そこで会話を重ね知恵を出し合い、新しい仕組みをつくりだすことで社会的課題を解決しようとしているのです。 しかも、大きな特徴となっているのが、新しい仕組みをオープン化することで社会全体の発展を目指していることです。 その取り組みは時間や資金を要しますが、着実に持続可能な循環型地域社会の形成に向けて歩んでいます。

 今回は、トージバの活動の理念や方針、内容等を、竹林再生プロジェクトに関わる青木秀幸理事にインタビューします。

(インタビュー:城市創・ギブワン編集者)

特定非営利活動法人トージバ
[東京都]

トージバはあらゆる交流の「場をデザイン」する

Q:法人名の「トージバ」はどういう思いを込めたものですか。

青木:トージバの語源は「湯治場」です。

湯治場は、温泉に浸かりながら心や体をいやす場所であるとともに、見知らぬ人たちが出会い、会話を交わしながら、 それぞれの知恵や技術などを交換し、お互いを高め合っていく「場」でした。そんな「場」を地域に密着した日常生活の中に実現したい。日常生活の中にいろいろな「トージバ」があることで生活を豊かにしたい。 そんな思いから「トージバ」と名付けました。

持続可能な循環型の地域社会を実現するためには、地域の個性や魅力を再発見し、社会的な課題をビジネスとして解決することが必要です。 そのようなソーシャル・ベンチャーNPOとして、トージバはあらゆる交流の「場をデザイン」していきたいと考えています。

都市と農村をつなげて食・農の問題を解決

Q:具体的にはどんなテーマに取り組んでいますか。

青木:文化に根ざした「持続可能な循環型の地域社会」の実現に向けて、「食」「農」「都市と農村の交流」に焦点を絞り、 食・農に関する問題を都市と農村をつなげて解決することを目指しています。

現在は主に「大豆レボリューション」「アースデイマーケット」「種まき大作戦」「竹林再生プロジェクト」の4プロジェクトを 展開しています。

草の根的に食料自給率を高める大豆レボリューション

Q:大豆レボリューションはどんな活動ですか。

青木:農家さんを応援するトラストという仕組みで「地大豆」の種まきから育成、収穫、脱穀、味噌仕込みまでを体験するものです。 トラストは相互信託という意味で、前もって参加者の会費から農家さんに管理料を支払い、収穫量に応じて大豆を配分するものです。 また、地大豆は昔からその地域で種採りをしながら育てられてきた大豆で、日本には300種類以上あるといわれています。

大豆は味噌や醤油、納豆など日本人の食生活には欠かせない農産物ですが、国内自給率はわずか5%で、多くは遺伝子組み換えなどの 不安が残る輸入大豆に頼っています。そこで、農業体験を通じて食を見つめ直そう、草の根的に自給率をアップしようというのが 大豆リレボリューションで、農家を応援しながら食料自給を楽しむ「場」と位置付けています。 現在は北海道から福岡県まで全国35ヵ所の畑と提携しています。

「食と農のつながり」を軸とした活動

Q:アースデイマーケットと種まき大作戦はどんなプロジェクトですか。

青木:アースデイマーケットは都心を舞台に継続的に行っているファーマーズマーケットです。 マーケットには東京都内をはじめとした農家・生産者と消費者が集まり、農産物を媒介にコミュニケーションを深めています。 農産物を売買するだけでなく、「食と農のつながり」を軸としたライフスタイル発信の場と位置付けており、トージバは実行委員会のメンバーに なっています。

一方、種まき大作戦は「自給に向けたムーブメントづくり」で、米や麦、大豆などを育てて味噌やお酒、ビールなどを作るとともに、 「土と平和の祭典」という収穫祭を年に一度開催しています。

竹林の拡大が里山の環境に大きな影響

Q:青木さんは「竹林再生プロジェクト」を担当されています。大都市では竹林を目にすることはほとんどなくなっていますが、どんな問題が発生しているのでしょうか。

青木:全国的に里山では竹林が農地や樹林地に拡大しており、水源涵養・土砂崩壊防止機能の低下、生物多様性の低下、 二酸化炭素吸収源機能の低下といった問題が発生しています。竹林が拡大した大きな原因としては、竹を利用することが少なくなったことと 竹林所有者の高齢化・後継者不足が挙げられます。かつては、竹ざるや竹かごなど暮らしに密着した竹製品はたくさんありましたが、 プラスチックへの代替や中国からの安価な竹製品の輸入などによって国内産の竹の利用は減少し続けています。

しかし、竹という素材を有効利用して現代のライフスタイルやこれからの産業にあった製品を作っていけば、里山の保全だけでなく、 産業としても成り立つ仕組みを構築できると考えています。

環境面からも注目される竹の価値

Q:竹の有効利用としてはどんなことが考えられますか。

青木:21世紀は「環境の世紀」といわれていますが、その点でも竹は注目されています。というのも、竹はバイオマス(生物資源) のひとつであり、低炭素化社会への移行を促す点で竹の利用は大きな意味を持っています。また、竹は成長が速く短期間で竹材として利用できるうえに、 無農薬・無肥料で育てられることからサスティナブルなマテリアルとしても注目されていますし、竹が持つ調湿や消臭、殺菌といった効果や熱伝導性 などの特性が見直され、工業的な利用も検討されています。このように竹は地域資源として高い可能性を有しているのです。

その意味で、竹の価値を再生することが必要だといえます。

ヒトと里山・竹林との新しい関係づくり

Q:竹の価値を再生するためにはどんなことが必要ですか。

青木:ポイントとなるのは都市部や農村部の人と里山・竹林との新しい関係づくりだと考えています。 そのためには、かつての日本の里山風景でみられたように自然や竹への関心を高め、持続可能な資源の循環利用を促すモノづくりや仕組みづくり、 ヒトづくりを進めていくことが必要です。それを具体的に進めるためには、現代的な暮らしのニーズにマッチした新たな用途開発や地域の 資源循環の仕組みづくり、竹への理解を促すといったことが必須になってきます。

そこで、トージバではモノづくり・場づくり・ヒトづくりという3つのアプローチで竹林再生に取り組んでいます。

竹を利用した折り畳みテントを開発

Q:3つのアプローチでは具体的にどんな活動を行っていますか。

青木:モノづくりでは竹テントとゴミ拾い用の竹トングを開発しています。竹テントは竹を使った折り畳みテントで、 屋外でのエコイベントで設営しています。場づくりでは、「愉しむ」「蘇らせる」「つながる」「仕事にする」の4つのコンセプトを軸に 全国各地でイベントやワークショップなどを展開しています。(写真は、「竹テントの製作」)

また、ヒトづくりでは、竹林再生サポーターズクラブ「竹組」を結成し、 4つのコンセプトを軸に草の根的な活動を行っています。特に、竹テントづくりのノウハウを広げるために全国各地でワークショップを開催し、 地域の個性にマッチしたヒトと竹との新しい関係づくりがそれぞれに地域に根付いていければと願っています。

竹のサイズにフィットする独自の金具の開発

Q:竹の有効利用に直結するモノづくりでの課題は何ですか。

青木:すでに竹テントの製造技術は開発していますが、それをいかにして全国に広げるかということと、 竹の組合せを強化する金具の開発が課題となっています。これまでは既成の金具を使っていたのですが、竹はそれぞれ太さが異なりますから、 しっかり固定するためには金具の数も増えますし、それだけコストも上がってしまいます。(写真は、「竹テントの製作でポイントとなっている金具の取り付け」)

そこで、千葉工業大学デザイン科学科松崎元研究室とプロダクトデザイナー角南健夫(TSDESIGN)氏などの協力を得て 独自の金具の開発に取り組んでいます。金具を開発するためには金型をはじめとした開発費が発生しますので、 そこをどう確保するかが大きな課題となっています。

オープンソース化で技術やノウハウを共有

Q:開発した金具などの技術はどう活かしますか。

青木:この点がNPOならでは特徴だと思いますが、開発した技術をソース(要素)としてとらえ、同じような理念を持つ グループや団体などにオープン化する。つまりオープンソース化を図ることで、困っている地域や団体に届け、結果的に社会を良くして いきたいと考えています。このオープンソースはトージバの基本的なスタンスで、大豆レボリューションでもコーディネートのノウハウを オープン化しています。

ただし、オープンソースを配布するだけではなく、それぞれの地域での実践活動を通じて新しい技術やノウハウを開発し、 それを相互に共有し技術を高めていくことを目指しており、ここが民間企業ではできないことです。

関連プロジェクト

竹林再生のための竹テントプロジェクト(トージバ)

多くの地域で竹林再生に役立つ竹テントを作れる人材を育てるために、ワークショップを開催します。

5万円あれば、竹林問題が深刻な九州・熊本に「竹テントづくりワークショップ」の講師を一人派遣することができます。

ページトップへ

寄付受け入れ関連プロジェクト

写真

竹林再生のための竹テントプロジェクト(トージバ)

5万円あれば、竹林問題が深刻な九州・熊本に「竹テントづくりワークショップ」の講師を一人派遣することができます。

パーフェクト寄付ガイド
googleロゴ
STAFF BLOG
パブリックリソース財団
リンクのお願い

メルマガ登録 | お問い合わせ | サイトマップ | FAQ | 特定商取引法に基づく表記 | プライバシーポリシー | セキュリティについて

Copyright © Public Resource Foundation. All Rights Reserved.