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特集バックナンバー Vol.6 発達障害への理解と支援を!


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発達障害への理解と支援を!

 4月から新学期。新たなスタートの季節です。知的な障害はなくても、読む・書く・計算するといった学習能力が阻害されていたり、同級生たちと十分なコミュニケーションがとれなかったり、興味や関心が偏っているといった症状を訴える子どもたちが増えています。

増加する発達障害者と不登校児

知的な障害はないものの、読む・書く・計算するといった学習能力が阻害されていたり、 同級生たちと十分なコミュニケーションがとれなかったり、興味や関心が偏っているといった症状を訴える子どもたちが 増えています。こうした症状は広い意味で「発達障害」といわれています。

発達障害者数は正確には把握されていませんが、当事者や支援者で構成される 日本発達障害ネットワークの会員数だけでも10万人を超えています。また、発達障害が「原因」で不登校になる 子どもたちも増加しています。

その一方で、発達障害はこれまで様々な制度の「谷間」に埋もれ、必要な支援が なされないままになっていました。

緒に就いたばかりの支援

2005年の発達障害者支援法の施行を契機に、発達障害者支援センターの設置や通級指導、 特別支援教育といった支援施策が展開され、発達障害者に対する支援や理解は進展しました。

しかし、発達障害者や家族にしてみると、支援はまだ緒に就いたばかりであり、さらなる充実が 強く求められています。

そうしたなかで、地域や教育現場を拠点に発達障害者を支援する動きも活発化しています。

今回の特集では、発達障害をテーマとした活動を行なっている茨城県つくば市の 特定非営利活動法人リヴォルヴ学校教育研究所と、東京都港区の特定非営利活動法人エッジを紹介します。

学校に適応できない子どもたちを地域から支援

特定非営利活動法人リヴォルヴ学校教育研究所
[茨城県つくば市]

自分たち一人ひとりから教育を改革しよう

リヴォルヴ学校教育研究所は、トップダウン方式の教育改革に対して、民間レベルからの教育改革を実践活動に よって提案することを目的としています。特に重視しているのが、大切な子どもたちの教育を他人任せに しないということです。行政や教師を批判したり、それぞれに責任をなすりつけ合うのではなく、 自分たち一人ひとりが意識を改革しようという姿勢です。

代表の小野村哲さんは中学教師として16年間教壇に立ってきました。 教師という職業が嫌になったわけでも、子どもたちと一緒の生活に疲れたわけでもありません。 不登校児の増加や学力の低下といった問題が深刻化するなかで、本当に教育を再生するためには社会のあり方そのものから 見直すべきだと決断したのです。

「それは自分だけでできるものではありませんが、みんなの力を合わせればきっと 何かができると思いました。まずは小さな一歩を踏み出そうと決意したのです」と、小野村さんは当時を振り返っています。

こうした小野村さんの思いに共感した教育関係者をはじめとした人たちで設立されたのが リヴォルヴ学校教育研究所です。法人名の「リヴォルヴ」には「滞らず、新しい局面に対応できる、柔軟性を持った組織」で ありたいという願いが込められています。

小さな地域立学校を目指すライズ学園

リヴォルヴ学校教育研究所はおもに(1)ライズ学園の運営、(2)セミナー・ワークショップの企画・運営、 (3)学校・地域教育活動の支援、(4)教材の開発という4つの活動を行なっています。そのうち、特に注目されるのが ライズ学園の運営です。

ライズ学園は、不登校の子どもも含めて、既存の学校ではうまく適応できていない子どもたちのための 小さな地域立学校を目指しています。

小野村さんはライズ学園を「タクシーのような学校」と比喩しています。日本の学校教育が平等で 質の高い教育を目指して団体で行動する「観光バス」だとすれば、バス酔いで団体行動から外れてしまう子どもたちのために 「タクシー」という選択肢があっても良いだろうという発想です。

ライズ学園では、元公立学校の教師や臨床心理士など、経験豊富なベテランスタッフと意欲に溢れる 若手スタッフが算数や国語、英語などの学習をサポートするほか、専門家を招いてのスポーツや料理教室、野菜作りなどの 体験学習、インターネットを使ったCAI学習なども積極的に取り入れています。

また、ライズ学園での活動状況を各家庭と学校に知らせ、ライズ学園への登園を学校への出席扱いに していただくとともに、月1回の保護者会では経験豊かなカウンセラーが保護者の悩みに親身にこたえています。

サポートはいつも「WhatとWhy」の繰り返し

ライズ学園が目指しているのは、不登校や発達障害の子どもたちの「居場所」ではなく、子ども一人ひとりの状況に応じた、 質の高いサポートです。それは普通の学校で行なわれるサービス以上に質の高いもので、当然コストも掛かります。

「それでも、こうすれば民間でも地方でも子どもたちのサポートができることをライズ学園で 示したいと思っています」と、小野村さんは語っています。

そこからは、一人ひとりに異なる可能性を秘めた子どもたちをサポートできるようにしたいという、 リヴォルヴ学校教育研究所の理念が伝わってきます。

ライズ学園では多くの子どもたちが隠れていた能力を開花させています。なかには、 カタカナや九九でつまずきながらも、難関大学に進学を果たした子もいます。

「つい数日前まで『み』をまるっきり左右逆に書いていた子が、最初と最後は正しく、 だけど一部だけ鏡文字にしてしまいました。彼は、かえって訳のわからなくなった文字を見て、『やっぱり、だめだ』と うつむきました。ここで『だめ!』としてしまうか、『すごいよ。自分で気付いて直そうとしたんだね』と声を掛けるか、 ここがポイントです。間違えながらも、子どもたちが伸びようとするこの瞬間を大切にしています」と、 小野村さんは語っています。

ライズ学園のスタッフが心掛けているのはいつも「WhatとWhy」を繰り返すことです。それによって、 この子にとって何が問題で、なぜつまずくのか、何ができて、なぜ成果が上がらないのか、次に何をすべきかが明確に なってくるからです。その意味で、ライズ学園のスタッフは子どもたちから多くのことを学んでいるといえます。

サポートで学んだことを学習教材に

ライズ学園では子どもたちのサポートから学んできたものをベースにコンピュータ学習教材「ひらがなの森」「英語の森」を 開発しており、すでに全国200ヵ所以上の小学校などで利用されています。

これらをバージョンアップすれば、ライズ学園のような「地域立学校」がない地域でも、読み書きに 困難を抱える子どもたちのつまずきを未然に回避・軽減することができます。それでこそ、学校にうまく適応できないために 悩み苦しんでいる日本各地の子どもたちをサポートできるのです。

しかし、コンピュータ学習教材の開発には多額の開発経費が必要です。それでもリヴォルヴ学校教育研究所は 積極的に教材の開発に取り組んでいます。山間の小さな学校で活用される学習教材にも、リヴォルヴ学校教育研究所の 思いとともに、多くの人々の支援の気持ちが込められています。

ディスレクシアの人々の才能を輝かせたい

特定非営利活動法人EDGE
[東京都港区]

魅力と可能性に満ちたディスレクシアの子どもたち

EDGEはディスレクシアの正しい認識の普及と支援を目的に活動しています。

ディスレクシアとは、知的には標準並みあるいはそれ以上の能力があるのに、読み書きに特異的なつまずきや 学習の困難を示しやすい症状です。英語圏では全人口の10%以上、日本語圏でも5%以上はいるといわれています。

十数年前まで、日本ではほとんど知られていませんでしたが、欧米では有名なタレントや画家、写真家、 建築家、作家などにも、子ども時代からディスレクシアの特徴を持ちながら、成人してから才能をフルに発揮して社会で 活躍している人がたくさんいます。

ディスレクシアは広い意味で学習障害のひとつですが、欧米の例が示しているように、 「障害」という言葉から受けるイメージとは異なり、むしろ非常に個性的で、かつ魅力と可能性に満ちた子どもや青年たちと いえます。

EDGEはディスレクシアのすべての人が活き活きと暮らせる社会の実現をミッションとし、 啓発活動やネットワークづくり、支援活動などを行なっています。

息子さんから学んだディスレクシア

代表の藤堂栄子さんはディスレクシアのある息子さんを持つお母さんです。息子さんの高直さんは 中学を卒業直後にイギリスに留学しました。学校で違和感や自己不全感を強く感じていたため、イギリスへの留学を 申し出たのです。

留学先で検査を行なったところ、高直さんはディスレクシアと診断されました。

「結果の説明は明快で、知能に比べて読み書きの能力が劣っているので、本来の力が発揮できないで いるというものでした。まるで、原因が分かっておめでとうといった感じでした」と、藤堂さんは振り返りました。

高直さんがディスレクシアと分かると、翌日から指導方法が変わり、タッチタイピングなど独自の プログラムがスタートしました。その後、高直さんは国際的な建築学校の大学院を修了し、若手建築家としてヨーロッパや 日本などで活躍しています。

ある時、高直さんが母親である藤堂さんにこう語りました。「僕はイギリスでディスレクシアと 分かってラッキーだったし、自分のせいじゃないと知ってほっとした。しかし、僕以上に辛い思いをしている友達は周りに たくさんいる。その人たちのために、日本で何かしてくれないか」

その言葉を聞いた藤堂さんは、ディスレクシアの人たちを支援するEDGEの設立を決意しました。 EDGEとは、「特別な」「ディスレクシアの」「能力を授かった」「選び抜かれた」の英語の頭文字をとったもので、 そこには鋭いところを持った人たち、際に立った人たちが優勢に立てるようにという気持ちが込められています。

全国的に注目されている港区の特別支援教育

EDGEの活動で特に注目されるのは、港区と協働で行なっている「特別支援教育・学習支援員制度」です。 2001年に特定非営利活動法人となったEDGEは、2003年にはディスレクシアの人たちを支援する必要性を行政などに訴えるとともに、 翌年度には港区が創設したパートナーズ基金の助成を受けて、港区内での特別支援教育のあり方を検討しました。

この検討には、区内の大学の協力をはじめ、教育委員会だけでなく保険福祉部や社会福祉協議会などの ボランティアに関連している団体も参画し、幅広い協力を得て仕組みづくりを検討しました。

こうして生まれたのが港区の特別支援教育学習支援員制度です。制度では、まず学校からの報告を 受けた教育委員会が学校での子どもの様子を確認し、保護者ときちんと相談して検査も行ないます。 その結果をもとに、学校の先生と検査を行なった人、保護者、港区の特別支援教育個別指導室、そしてEDGEが委嘱を受けて 運営を行なっている個別支援室で会議を行ない、どうした支援が効果的かを検討します。 その検討に基づいて学習支援員が学校に派遣されます。

特別支援教育を支える学習支援員の養成

学校教育の現場では、何十人の子どもたちがいるなかで一人ひとりのニーズに対応することは至難の業であり、 大変です。それをカバーするのが学習支援員です。

学習支援員はまず子どもたちとの信頼関係を結び、その子が一番困っていること、悩んでいることを きちんと把握し、解決するにはどの部分を優先的に支援すれば効果的かに気付く力が求められます。と同時に、 母親としてよりもプロとしての対応が大切で、近過ぎず遠過ぎず、よい距離感を持つことも重要です。

そのため、EDGEでは学習支援員を養成するために14日間の講座を開催しており、すでに234名が 講座を終了し約半数が支援に当たっています。また、港区の学習支援員は全国的にも注目され、宮崎市や名古屋市、 川越市などにも活動が広がっています。

「制度が持続的に運営されるためには、地元の教育機関や病院、ボランティア団体といった組織との 連携が必要です。そのために、各地域で取り組んでいる方たちとのワークショップなども開催して、特別支援教育あるいは 学習支援員のあり方を追求し続けています」と、藤堂さん。

EDGEのパンフレットには「10年後の子どもたちの笑顔を合言葉にエッジな人たちを応援しています」 という一文が添えられています。10年後の子どもたちの笑顔。それは、EDGEの地道な活動とともに、EDGEのミッションに 共感する多くの人たちにも支えられています。

関連プロジェクト

エッジ基金(エッジ)

EDGEはディスレクシアの正しい認識の普及と支援を目的とした団体です。

啓発活動、ネットワーク作り、支援などを行うことにより、ディスレクシアの全ての人が活き活きと暮らせる 社会をつくることを目指しています。

読み書き困難な子ども向け学習教材の普及プロジェクト(リヴォルヴ学校教育研究所)

リヴォルヴでは、学校になじめずにいる子ども達のための『ライズ学園』を運営しているほか、 不登校の背景にある学習障害などの問題に関する公開講座も開催しています。また、つまずきがちな子ども達への支援方法の 研究に努め、「ひらがなれんしゅうちょう」「ABC英語れんしゅうちょう」等の教材を独自に開発しています。

またウェブ上では、ひらがな、カタカナ、英語などのデジタル教材が無料で楽しめる「こどもの森」や 教材販売サイト「森の教材館 マナビィ」を運営しています。

教材やコンテンツのさらなる開発にご協力をお願いします。

軽度発達障害児・者と、その家族、先生方をサポートします(リソースセンターone)

多様な個性の子どもたちを健やかに育てるという専門性を持った人が不足しています。

教材教具・指導法の研究開発や、指導者の育成、療育・相談者への対応、自治体や学校へのコンサルテーションなどを行っていくための 資金を募っています。

「発達障がい」や不登校・ひきこもりの若者の学習と自立支援(楠の木学園)

「発達障がい」、不登校、ひきこもり、若年のうつ病や統合失調症など、公立学校で対応できない 子どもたちが通う「楠の木学園」を運営しています。これまでたくさんの子どもたちを、社会に参画していける若者に育て上げて きました。

しかしスタッフの専門性やキャリアに見合った報酬を提供できず、スタッフのバーンアウト(燃え尽き)が 心配です。

専門性と経験の豊かな人材の確保のために、ご支援をお願いいたします。

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寄付受け入れ関連プロジェクト

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エッジ基金

ディスレクシアの全ての人が活き活きと暮らせる社会を目指す活動にご支援を。

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読み書き困難な子ども向け学習教材の普及プロジェクト

読み書きに困難を示す子ども達の学習を支援する国語と英語のコンピュータ教材の開発経費が必要です。

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軽度発達障害児・者と、その家族、先生方をサポートします

LD、ADHD、高機能広汎性発達障害などの軽度発達障害児のための教材教具・指導法の研究開発を行っています。

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「発達障がい」や不登校・ひきこもりの若者の学習と自立支援

「楠の木学園」の運営にご協力をお願いします。

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