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レポート情報

キリマンジャロ山の原生樹種による苗木育成へのチャレンジ

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私たちが植林に協力しているキリマンジャロ山のテマ村で、村人たちが植林に立ち上がってすでに20年が経ちます。村を取り巻いていたかつての森が農地となり、薪炭材や建築材として切られ、あるいは政府による収益目的の伐採が行われ、水源が枯渇するなどの影響が出始めたことから、彼らは植林に立ち上がりました。森の中に次々と広がっていった、木を失い荒廃してしまった裸地を、すべて森に戻そうと決めたのです。

その彼らがこれまでに一番植えてきた木は、Grevileea robusta(ハゴロモノキ、シノブノキ)という、ヤマモガシ科の木であす。東アフリカでは比較的よく植えられている木でもあります。このGrevileea robustaを村人たちが好むのには、それなりの理由があります。まず当然のことですが、地域の気候や土壌条件に良く合っていることがあります。また根を深く張るため、土砂崩れの防止に役立つこと、細根が発達し、土壌水分を良く保持すること、葉が家畜の餌や畑のマルチになること、薪炭材が採れること、コーヒーの日陰樹になること、真っ直ぐに伸びるため、建築材にも向いていること、境界林、防風林になることなどなど、その理由を挙げたらキリがないほどです。ですから村人たちは、この木が大好きなのです。

じつはこのGrevileea robusta、原産はオーストラリアです。コーヒー栽培を持ち込んだドイツ人が、その日陰樹として導入したのではないかと推察しています。外来樹ながら、これほど人々の生活体系の中にしっかり組み込まれ、根付いた木も珍しいのではないでしょうか?現地カウンターパートであるTEACAも、苗畑を立ち上げて最初に育苗を始めたのは、このGrevileea robustaでした。

その後TEACAは育苗樹種のヴァラエティを広げ、最大時で約30樹種、現在は約15樹種を育苗しています。当初樹種選択の基準は、村人たちに広く受け入れられ、比較的生長が早く、活着率が高い樹種が優先されていました。しかしその後は、地域に存在する多様な樹種を広く取り入れ、植林樹種の偏重を極力避けること、また緑化用、土壌改善用、飼料木、果樹など、活動の広がりとともに、用途に配慮した樹種選定へと重心が移っていきました。

さらにその後は、原生種の導入に意識的に取り組むようになっています。ワークキャンプなどでも植えているAlbizia schimperiana(マメ科)やCroton macrostachyus(トウダイグサ科)、Macaranga kilimandscharidca(トウダイグザ科)などはその例ですが、昨年から、キリマンジャロ山で失われつつある原生種の育苗にも着手しました。その代表例が、"Ocotea usambarensis"(クスノキ科、ヒガシアフリカ・カンファーウッド)です。


この木はかつて、キリマンジャロ山の標高1,600m~2,800mの樹林帯(ほぼ森林保護区に相当するエリア)の優先樹種でしたが、材としての価値が高いため、集中的な伐採にあい、激減してしまっています。キリマンジャロ山のもっとも有名な登山ルートがあるマラングーの近辺では、ほぼ絶滅状態に至っています。2001年に国連によって実施された調査では、観察された7,868カ所の原生種の不法伐採のうち、2,111カ所(約3割に相当)がこのOcotea usambarensisの伐採でした。

TEACAは今後できるだけOcotea usambarensisの植林を増やしていきたい考えていますが、原生種の育苗はなかなか上手くいかないことが多く、かなり苦労しています。このOcotea usambarensisは種子から苗木を仕立てるのではなく、挿し木から苗木として育てていきます。しかし芽を出してくれる確立は、いまののところ10%にも届きません。日覆いの量を変えたり、挿し木の大きさを変えたり、しばらくは試行錯誤が続くことになるでしょう。

TEACAはこの他にも、高い伐採圧力がかかっている原生種、Newtonia Buchananii(マメ科、ムファムティ)、Olea Capensis(モクセイ科、イーストアフリカン・オリーブ)の育苗にも着手しましたが、どれも容易ではありません。この両樹種については、山引き苗を採取して育てる方法を採っています。

こうした原生種の育苗技術は、失敗を繰り返し、経験を積みながら習得していくしかありません。植林以前に、苗木を育てるだけで何年間かを要してしまいます。ひとたび原生の自然を失ってしまうと、そのツケのいかに大きいことかを、実感せずにはいられません。







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