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レポート情報

キリマンジャロ山で進む森林伐採

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タンザニアは年間の森林減少面積(41.2万ha、2005年)において、世界の上位5番目に位置づけられる国であることは案外知られていない(1位ブラジル、2位インドネシア、3位スーダン、4位ザンビア)。同国で森林が伐採される原因のうち約70%が燃料用伐採、残り30%が農地転用や土地の開発利用のためとされており、増え続ける人口と、ほとんどの人々が日々の煮炊きに薪炭材を使っている現状では、今後も森林の減少は避けられない状況である。

一方キリマンジャロ山でも、1929年~2000年のわずか70年ほどの間に、森林の約3割が失われたと分析されている(Hemp,2005)。ただし原因は燃料用としての伐採以上に、森林保護区内における違法な木材用伐採、森林火災(温暖化に伴う乾燥化と森林減少による降雨の減少が拍車をかけていると報告されている)、タウンヤ方式によるアグロフォレストリー契約を無視した純農地への転用、居住のための森林保護区内の不法開拓・占拠などが挙げられている。

ここ数年はキリマンジャロ山の村に入る度に、あちこちで切り倒されている木が目につくようになってきた。これには、生産者価格の低迷により、これまで村の経済を支えてきたコーヒー産業の凋落、衰退が見逃せない原因となっている。多くの村人は儲からないコーヒー栽培を放棄してしまったが、これに代わる有力な産業や収入源がある訳ではない。そこに来て原油高に端を発するここ数年の現地物価の急騰は、村人たちの生活を一層苦しいものに追い込んでしまった。

そんな村人たちにとって、山にある木は、切って売ってしまえば即お金になる、それこそ宝の山に見えることだろう。コーヒーが不振とはいえ、すでに生活基盤を持ち、またこれまで森を大事に守ってきた大人や老人たちはそうでもないが、産業が衰退する中、村の中に人生の希望を見出せない若者たちには、いま目の前にぶら下がっている残された財産(=木)は、いち早く自分のものとして現金化してしまうのが良いのである。

森林保護区の木を切ることはもちろん違法行為であるが、私たちの活動拠点であるテマ村では、村の環境を守っていくために、森林保護区ではない自分たちの畑に生えている木でさえ、村の許可がなければ切り倒してはいけないという規則を持っている。しかし若者たちは、罰則規定がないことや、人員不足から村が厳密に取り締まれないことを知っていて、多少の後ろめたさを感じつつも伐採することを止めようとはしない。

森を守ってきた大人たちも、「森林の破壊者はお前達だ」と言われたに等しい政府の対応(改正国立公園法によるバッファゾーンからの締め出し)に、いまさら若者に対して「森を守れ」などと言う気持ちにもなれない。

ただ、村の若者たちを弁護して言うなら、キリマンジャロ山における森林減少の主要因が、決して彼らであるわけではない。元手を要さない手っ取り早い現金収入の途として、とくに森林保護区内における違法伐採に手を染めるのは、村外から来る人間の方が多いからである。

森から人を締め出すという法律を作ったところで、その法に実効性がなければ森林伐採を止めることは出来ない。それは規則を持ちながらも、取り締まることが出来ないでいる今の村の状況と同じといえるだろう。手っ取り早い収入源という誘因がある限り、法を無視してでも、人はいくらでも侵入してくる。今の政府にそれを十分に取り締まるだけの体制や能力を期待するのは難しい。

長い目で見たときに、村での生活を安定させるような収入源を創出し、森林管理のかなりの部分を村と村人たちに委ね、彼ら自身が「森の番人」として機能できるような施策を講じていくことが、キリマンジャロ山の森を守ることに繋がっていくのではないだろうか。

私たちはそうした観点から、村におけるキリマンジャロコーヒー産業の立て直しに取り組むとともに、国立公園法の見直しと、村による森林管理に向けた提言と話し合いを、中央、州、県の各レベルにおける政府森林関連部局と進めている。







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